たった90日であなたの工場が黒字化する方法

技術士による工場の生産性向上講座

Coffee Break56(マルチョン)

こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。

本日は、コーヒーブレークです。

 

連日「現場リーダーは作業から離れて本来の役割を実践せよ」

という話をしてきました。

これは、生産性向上のための必須条件であり、大変重要な考え方です。

今回は別の視点から解説してみます。

 

マルチョン

 

これは、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏が、

製造現場を巡視しているときに発した言葉が起源だそうです。

 

ある工程が不安定で調子が出ていなく、そこの監督者がウロウロ見回って、

流れてくるワークをちょこちょこ触って手直ししたりしている。

 

それを見た大野耐一氏は、

「ウロウロせず、ここに立っておれ。現場をじっと観察していれば、

 必ず悪さが起こる。

 悪さが起こるまで立っておれ。起こったらその原因の事実をつかめ。

 それまでこの丸から動いてはいかん。チョンと立って見ておれ」

 

そう言って、問題工程のそばの床にチョークで丸を書き、

そこに監督者を立たせたという逸話から来ているそうです。

 

どの工場でも、監督者は、本来作業員がやるべき仕事を手伝ったり、

生産の遅れをカバーしたり、不具合やクレームの処置、機械の修理したり等、

忙しそうに動き回っています。

 

しかし、監督者が忙しいのは、生産が安定していないからです。

 

忙しそうに動き回っていては、個別の事象には対応できますが、

問題の本質に対処して再発を防止し、

安定した生産ができる状況を作り出すことは難しいでしょう。

 

本来、監督者(現場リーダー)の業務は、異常の発生を防止し、

安定操業ができるように維持管理していくことです。

 

安定した生産ができなければ、効率的な生産や、

生産性向上を目指した改善を進めるところまでは行けません。

 

「マルチョン」の意義はここにあるのです。

 

よって、

「現場リーダーがラインに入ると生産性が上がる」は間違いであり錯覚なのです。

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