従来からの改善活動の問題点 (2)
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
本日は、改善と改革について解説します。
改善と改革の違い
改善と改革という言葉は非常によくつかわれていますよね。
あなたもそうだと思いますが、その意味を理解しているでしょうか。
同じように使っている人がほとんどですが、改善と改革は全く違います。
活動の進め方や活動に対する気持ちの持ち方等、全然違います。
まず、改善とは、現状の問題に対する小さな変化の積み重ねのことであり、
PDCAサイクルを繰り返し回していくことです。
例えば、組立作業で間違わないよう順番を変えてみようとか、
手作業を治工具でできるようにしよう等、
現場の中に発生した種々の問題(困りごと)について、
都度その環境に適応するために変化していくことを改善と言います。
そして、改善を行う上で最も重要なのは、
これまでの改善効果を維持継続できるかどうかということです。
ほとんどの工場では、あるテーマを決めて改善活動をしても、
活動が終わり数週間後にはもとに戻ってしまいます。
過去の改善効果の上に新しい改善を積み重ねてこそ意味があるのに、
改善効果が数週間でもとに戻ってしまっては改善を進める意味がなくなってしまいます。
したがって、改善後の維持継続が大切で、確実に運用できるしくみが必要になります。
一方、改革とは、これまでの仕事の進め方や価値観を否定し、
新たなしくみを一から作り直すことです。
工場が進化するには必要不可欠であり、突然変異とも言うべきでしょうか。
最初に理想やあるべき姿をしっかり描くことが重要であり、
その理想と現実のギャップを埋めていくことになります。
そのため、改革には必ず抵抗勢力が発生します。
人間は保守的なもので、
今までと違ったことに対して無意識のうちに抵抗してしまいます。
特に昔の成功体験を積んだベテランと言われる人たちが抵抗します。
したがって、改革を進めるには非常に大きなエネルギーが必要になり、
トップダウンでしか進めることはできません。
まずは、経営者が単独で決断し「できるか・できないか」ではなく、
「やるか・やらないか」を先に決めてしまわなければなりません。
「できる・できない」を考えると、できないという結論になるだけです。
もちろん、強い意志・決断についていけずに、工場を去る人もいます。
そんなときは、人が去ることも改革だと考えるよう指導します。
「工場改革はトップダウン」ということは是非覚えておいて下さい。