たった90日であなたの工場が黒字化する方法

技術士による工場の生産性向上講座

工場管理の新常識 間違いだらけの15の視点 15

こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。

工場管理がうまくいかないのは、あなたの常識が間違っているからだ!

ということで、連日1つずつ解説しています。

 

pe-michanpapa.hatenablog.com

 

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間違いだらけの15の視点も本日で15個目です。

 

「直接原価以下で受注したら赤字になる」は間違い

 

現在の会計法では、製品在庫を持っていると利益が増えるという特徴があります。

これは、経営者に間違った判断をさせる問題点があります。

現場リーダーには、経営に役立つ会計の発想法を知ってほしいものです。

 

その一つが、スループット会計の発想です。

簡単に言うと「製造原価(材料費+加工費)を下回っても利益が出る」

ということです。

 

事例で説明します。

あるメーカーでは、月当りの受注が8000万円から5000万円に落ち込み、

月当り600万円の赤字になってしまいました。

作業も午後3時に終わり、100時間程遊びの時間ができてしまいました。

 

主力製品Aの直接原価(1個当たり)は、

材料費:1万円、加工費:1万円です。

 

これまでの見積方針は、直接原価以下では赤字になるので、

これ以上で見積もりを出すというものでした。

しかし、この会社の1月の固定費(人件費)は1500万円であり、

月の受注が5000万円と落ち込んでも固定費(人件費)は確保できているので、

見積もりは材料費(1万円)プラスアルファでよいのです。

 

したがって、製品Aの見積価格は、

材料費+プラスアルファ:1万円+5000円=1万5000円

(プラスアルファは、いくらでもよい)

すなわち、見積もりを1万5000円で出しても赤字にはならずに、

これにより受注が拡大すれば、利益は増えていく。

 

(実際には、変動費+αで、固定原価を回収することであり、

仕事が少なく操業度が低いときに、稼働率を上げる考え方である。)