バラツキに着眼した品質不良撲滅法 07
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
ある工場で品質不良を撲滅したいという依頼があったので、
その解決方法の一つをご紹介します。
連日、KI法の具体的な話として有名な「テグス」の話をしています。
新商品のテグスが切れて、クレームが来たので、更にテグスを強くした。
しかし、またそのテグスが切れてしまった、というお話しです。
切れる場所はランダムに現れるのではなく、
ほとんど同じ間隔で弱い所があることが分かった。
その規則性と類似の規則性を生ずるものが、テグスの製造工程の中に何かある。
その規則性のある巻取機械を改良したら、問題は解決してしまった。
というお話しでした。今日はまとめましょう。
問題に気付くこと、問題を解くこと
この話からわかることは、
いくら強いテグスを作っても、テグスを巻く枠の角でキズを付けて弱くしたら、
切れてしまうのは当たり前でしょう。
巻取機械を改良して、テグスをキズつけることがなくなり、
テグスも切れなくなったので、全体を弱いテグスにしてもクレームはなくなりました。
要は、強さが図1のテグスにクレームがあり、
技術者はテグスが弱いから切れると思い、図2のようなテグスを作ったが
やはりクレームがありました。
そして、図3のように強さにバラツキのないテグスを作ったため、
全体の強さを弱くしても切れなくなったというわけです。
これは、テグスが切れるというクレームから、
原因はテグスに強い所と弱い所があり、弱い所で切れるのだと考え、
なぜ強い所と弱い所ができるのかということを問題として、
この問題を解いていくことでクレームを解決できたことを通して、
問題に気付くこと、問題を解くこと、の重要さを教えてくれています。
テグスは弱い所があったり強い所があったりしているのですが、
そこに気付かない人や先入観の強い人はテグスは弱いと思い込んでしまい、
問題を解こうとしなくなってしまうのです。
いや~こわいこわい。あなたも気を付けて下さい。