バラツキに着眼した品質不良撲滅法 06
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
ある工場で品質不良を撲滅したいという依頼があったので、
その解決方法の一つをご紹介します。
連日、KI法の具体的な話として有名な「テグス」の話をしています。
新商品のテグスが切れて、クレームが来たので、更にテグスを強くした。
しかし、またそのテグスが切れてしまった、というお話しです。
昨日は、テグス全体の中の弱いところがどこにあるか、
すなわち、欠陥がどんな出方をするか調べてみたら、
切れる場所はランダムに現れるのではなく、
ほとんど同じ間隔で弱い所があることが分かった。
そして、この規則性に着眼して追究すれば原因がわかるはずだ。
という核心に迫ったわけです。
テグスはなぜ切れる?
そして、その規則性と類似の規則性を生ずるものが、
テグスの製造工程の中に何かあるわけですから、
それを製造工程の終わりの所から順次、工程を遡って調べたのです。
すると、それは紡糸するときに巻き取る枠の周期性からきているらしい、
ということが分かったので、
巻取機械を改良したら、問題は解決してしまいました。
有名なテグスの話は大体こんなところです。
KI法の生みの親である、磯部先生曰く、
「技術者というのは得てして本質的なことというか固有技術的なことに
重点を置いて考える習慣がある。もちろん悪いことではないけれども、
一方でこの例のように、欠陥が局所的に現れることについての認識が
欠けている面があるように思えるのです。」
深いですね。次回は、この話からわかることをまとめます。お楽しみに。