設計改善は現場改善より重要だ (5)
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
本日も、設計起因の高コスト要因を解説します。
設計時間の不足(実設計時間)
先日、ある企業に行ったときの会話です。
先月企画した新製品が製造工程に流れているというのです。
コンサル「御社の設計は、設計リードタイムが速いですね!素晴らしい!
どんな取組みをしているのですか?」
設計担当「え!?…特に何も…」
コンサル「またまた~色々努力されていないとできないことですよ」
設計担当「いやいや、十分検討する時間がないし、早く図面を出せと言われるから、
とりあえず流してしまうんです。後は製造現場がなんとか作りますから~」
コンサル「…(絶句)…(やっぱり)…」
事実この企業では、十分な検討ができていない状況で出図するため、
不良や手直しが頻発し、クレームも多いようです。
最大の問題は「設計完成度の低さ」です。
また話を聞くと、個人の設計スキル不足、DRや図面検証が十分に行われていない、
等の要因もありました。
結局、実設計時間の不足がこれらの様々な問題を増幅させているのです。
そして、この状況がずっと続いているため、
設計者は勘と経験に頼った設計を続けざるを得ず、個人の力量の差が出ていました。
コンサル「実設計時間を確保するための取組みを進めましょう」
更にこの設計時間の不足は、調達コストの増大を引き起こしていました。
コスト的に十分な検討が行われていない状態で出図し資材発注をするため、
緊急発注などが増え、結局、高コスト発注になっているのです。
読者のあなたはもうお判りでしょう。
設計時間の不足は様々な弊害を引起す非常に大きな問題である。
しかし、多くの企業で「対策したくても時間がない」
「具体的にどうすればいいかわからない」と言って放置しているのです。
解決策は「設計リードタイムの短縮」と「設計生産性の向上」です。
これは仕組みの改革になるため、トップダウンで行う必要があります。