たった90日であなたの工場が黒字化する方法

技術士による工場の生産性向上講座

総合リードタイム短縮の価値を知らない盲点に気付け! (2)

こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。

昨日は、ものづくり全体の最適化は、総合リードタイムの短縮にあり。

これはトヨタ生産方式の最大の狙いである。

*この事実は意外と知られていない。という話をしました。

 

部分最適にこだわる愚かさを知れ

 

総合リードタイムは、図のように、

準備リードタイム(受注から製造開始まで)と

生産リードタイム(製造開始から出荷まで)の和になります。

 

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図 総合リードタイム

①準備リードタイムの短縮

部材は、在庫補充方式で確保しておき、受注したらすぐに製造開始することが、

準備リードタイムを短縮させます。

 

このように、補充方式で部材在庫を持つことは、

全体最適の実現のためにはやむを得ません。

 

②生産リードタイムの短縮

生産リードタイム=各工程の正味加工時間+各工程間に停滞している時間(仕掛品の量)

で表されます。

 

通常、各工程に停滞している時間は、各工程の正味時間の10倍以上です。

だから、生産リードタイムの短縮は、工程間の仕掛品の量を減らすことにあります。

 

これは、生産計画の立て方で減らすか、

または製造で工程間の仕掛品を減らすルールをつくることで減らします。

 

このようにして、総合リードタイムの短縮を図ります。

総合リードタイムを決めたら、

顧客に対して「受注後何日(何時間)以内に工場出荷できます」と提案して下さい。

 

これが顧客感動であり、同時に生産性が向上し、コストダウンが図れ、一石二鳥です。

 

ここまでの話で、ピンとこないあなた、とりあえず営業担当者に聞いてみて下さい。

「品質とコストがほとんど同じ商品で、どこよりも短い時間で届くなら

お客はどう思うよ?」

 

営業担当者はこう言うでしょう。

「他に特別な要素がないなら、多くのお客は間違いなくその商品を選ぶよ!

「うちの工場でできるなら、すごいことだ、直ぐにやってくれ!」

 

最近の商品の品質とコストはほとんど変わらないですよね。

だから、市場ニーズは短納期化(リードタイム短縮)なんです。