たった90日であなたの工場が黒字化する方法

技術士による工場の生産性向上講座

加工組立型

こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
昨日は、原則として、

 

部品加工は「10×1」、
組立工程は「1×10」(1個流し)がよいケースが多い、という話をしました。

 

また「1個流し」は多回運搬になりますが、生産リードタイム短縮になる。
「社長、小刻みの多回数運搬は、経済性を度外視して下さい!」
とアドバイスしました。

 

すると社長から「組立工程はどうすればいいの?」と言われました。
大分前置きが長くなりましたが、組立工程が本日のテーマです。

 

加工組立型

 

本日のテーマは工場だけでなく、色々な場面に応用できますから、
関係ないと思っているあなたにも「気付き」があるはずです。

 

結論から言っちゃいます。

 

加工組立型の生産リードタイム短縮は、
1個流しによるサイクルタイムの短縮にある。

 

同時に、生産性向上アプローチにもなる。
だから、加工組立型は、1個流しに尽きる。

 

それでは、詳細を説明しましょう。
初歩的な作り方は、一番儲からないベルトコンベヤ方式です。
図を見ると分かりますが、工程間に仕掛品が停滞してしまうからです。

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儲からない製造方法

今回の会社も同様に、
ほとんどの中小メーカーでは、組立工程で1人1工程でものを作っています。
これは残念ながら、儲からないやり方の代表例です。

 

ではどうするか?
1人が全工程を行うようにすれば、それだけで生産リードタイムが短縮する
と同時に、生産性が数倍上がります。
これが1個流しの価値です。

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1個流し

トヨタ生産方式では「とりおきのムダ」がとれると言います。
すなわち工程間にとったり、置いたりするムダがとれます。

 

上図を見れば一目瞭然、工程間に仕掛品がありませんから。

 

では、社長へのアドバイスを説明します。

 

1個流しの効果

 

①組立1:3分 → ②組立2:5分 → ③検査:3分 → ④梱包:4分
という工程でした。


改善前は1人1工程だけ行っていました。そしてネック工程は組立2なので、
1時間に12個の生産量になります。(60分÷5分=12個)

 

それでは改善後です。1個流しにすると、1人が全工程を行うので、
1人あたり15分(3+5+3+4分)で1個できます。
作業者は4人いるから、15分で4個できちゃいます。
したがって、1時間に16個の生産量になります。

 

改善前は12個/時が、1個流しをすることで16個/時になりました。

 

これが1個流しの価値と意味です。
とにかく、組立作業は、1個流しに尽きる。

社長も納得のご様子でした。