たった90日であなたの工場が黒字化する方法

技術士による工場の生産性向上講座

「10×1」と「1×10」は何が違うの?

こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
本日は、ものの作り方の話をします。

 

創業60年以上にもなるある中小メーカーでは、
創業当時からものの作り方がほとんど変わっていません。

 

ベテラン社員にインタビューすると、
「このやり方以外ないね、他に方法があるなら教えてよ」
中堅社員は、
「このやり方しか教えてもらってないです、考えたことありません」

 

でた!抵抗勢力、でもどこの工場もこんな感じです。
社長には「生産リードタイムを半減してほしい」と言われています。

 

そこで私は、2つの考え方を提案しました。

 

「10×1」と「1×10」は何が違うの?

 

あなたも一緒に考えてみましょう。
例えば、A品を10個作るとしましょう。
この生産工程は、下図のように3工程とします。

 

通常は、1工程で10個作り、終了したら次の2工程でこの10個を作ります。
そして、3工程で10個作り、全部で10個完成させます。
この作り方が「10×1」です。

 

一方、1工程で1個作り、直ぐに2工程でその1個を加工し、
3工程で1製品を完成させます。
この作り方が「1×10」です。

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「10×1」と「1×10」の違い

どうですか、簡単ですよね。

 

中小メーカーには、様々な業態があり

「10×1」がよいか、「1×10」がよいか、その都度決めて下さい。

 

原則として、
部品加工は「10×1」、
組立工程は「1×10」(1個流し)がよいケースが多いです。

 

「1個流し」は多回運搬になりますが、生産リードタイム短縮になります。
この効果は非常に大きいです。

 

なぜか分かりますか??

運搬回数は増えますが、ものの流れはどんどん早くなりますよね。
そして仕掛品(の量)が減る、すなわち停滞時間が短縮されます。

 

社長も「これならリードタイムを半減できそうだ」と言いました。

そしてもう一つのアドバイスです。
「社長、小刻みの多回数運搬は、経済性を度外視して下さい!」