常識打破には錯覚を見抜け (3)
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
昨日の錯覚に関連した、3つ目の錯覚を解説します。
クレームを減らすには、社内不良を増やせ、
すなわち、社内不良の検出頻度を上げよ。
という話をすると、多くの管理者は以下のように考えてしまいます。
「品質を良くするとコストアップする」
なぜなら、品質確保、社内検査の強化には、機械加工速度を下げたり、
作業時間にゆとりを持たせたり、検査には時間をかける必要がある
と考えているのです。
この考えは一見論理が通っているようですが、これも錯覚です。
しかも、ものづくりの本質を理解していません。
正しい作業(正しい製造条件・正しい手順)で行えば、
品質確保や低コストを実現できる。
つまり、品質を良くする目標を設定して、(製造条件・手順・時間)
それに合わせた正しい作業を設定することです。(図1)
この目標をクリアできなければ、設定した内容のどこかが間違っているか、
更なる改善が必要になってくるのです。
*Coffee Break 3の「正しい作業(製造条件・手順)をインプットとすれば、
製造プロセスを通してアウトプットは良品のみになる」の考え方です。
重要ですのでもう一度ご参照下さい。
ものづくりにおいては、正しい作業を早く正確にできる監督者(現場リーダー)
が必要です。
監督者は、部下に早く正確に作業できるように指導することが、
役割の1つです。(監督者の4つの役割は、錯覚を見抜け(1)を参照下さい。)
やってみせて、やらせてみる、を繰り返して、
正しい作業(製造条件・手順)を訓練することである。
品質を良くするとコストアップするという考えは、
ものづくりの本質を知らない錯覚である、ということが分かって頂けたでしょうか。