工場管理の新常識 間違いだらけの15の視点 15
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
工場管理がうまくいかないのは、あなたの常識が間違っているからだ!
ということで、連日1つずつ解説しています。
師匠O先生が説明するセミナーが今月開催されます。(9/20@東京)
従来のやり方に限界を感じ、革新的な工場管理を学びたいあなたは是非!
間違いだらけの15の視点も本日で15個目です。
「直接原価以下で受注したら赤字になる」は間違い
現在の会計法では、製品在庫を持っていると利益が増えるという特徴があります。
これは、経営者に間違った判断をさせる問題点があります。
現場リーダーには、経営に役立つ会計の発想法を知ってほしいものです。
その一つが、スループット会計の発想です。
簡単に言うと「製造原価(材料費+加工費)を下回っても利益が出る」
ということです。
事例で説明します。
あるメーカーでは、月当りの受注が8000万円から5000万円に落ち込み、
月当り600万円の赤字になってしまいました。
作業も午後3時に終わり、100時間程遊びの時間ができてしまいました。
主力製品Aの直接原価(1個当たり)は、
材料費:1万円、加工費:1万円です。
これまでの見積方針は、直接原価以下では赤字になるので、
これ以上で見積もりを出すというものでした。
しかし、この会社の1月の固定費(人件費)は1500万円であり、
月の受注が5000万円と落ち込んでも固定費(人件費)は確保できているので、
見積もりは材料費(1万円)プラスアルファでよいのです。
したがって、製品Aの見積価格は、
材料費+プラスアルファ:1万円+5000円=1万5000円
(プラスアルファは、いくらでもよい)
すなわち、見積もりを1万5000円で出しても赤字にはならずに、
これにより受注が拡大すれば、利益は増えていく。
(実際には、変動費+αで、固定原価を回収することであり、
仕事が少なく操業度が低いときに、稼働率を上げる考え方である。)