「10×1」と「1×10」は何が違うの?
こんにちは、技術士(経営工学)の、みーちゃんぱぱです。
本日は、ものの作り方の話をします。
創業60年以上にもなるある中小メーカーでは、
創業当時からものの作り方がほとんど変わっていません。
ベテラン社員にインタビューすると、
「このやり方以外ないね、他に方法があるなら教えてよ」
中堅社員は、
「このやり方しか教えてもらってないです、考えたことありません」
でた!抵抗勢力、でもどこの工場もこんな感じです。
社長には「生産リードタイムを半減してほしい」と言われています。
そこで私は、2つの考え方を提案しました。
「10×1」と「1×10」は何が違うの?
あなたも一緒に考えてみましょう。
例えば、A品を10個作るとしましょう。
この生産工程は、下図のように3工程とします。
通常は、1工程で10個作り、終了したら次の2工程でこの10個を作ります。
そして、3工程で10個作り、全部で10個完成させます。
この作り方が「10×1」です。
一方、1工程で1個作り、直ぐに2工程でその1個を加工し、
3工程で1製品を完成させます。
この作り方が「1×10」です。
どうですか、簡単ですよね。
中小メーカーには、様々な業態があり
「10×1」がよいか、「1×10」がよいか、その都度決めて下さい。
原則として、
部品加工は「10×1」、
組立工程は「1×10」(1個流し)がよいケースが多いです。
「1個流し」は多回運搬になりますが、生産リードタイム短縮になります。
この効果は非常に大きいです。
なぜか分かりますか??
運搬回数は増えますが、ものの流れはどんどん早くなりますよね。
そして仕掛品(の量)が減る、すなわち停滞時間が短縮されます。
社長も「これならリードタイムを半減できそうだ」と言いました。
そしてもう一つのアドバイスです。
「社長、小刻みの多回数運搬は、経済性を度外視して下さい!」